アーユルヴェーダのトリ・ドーシャについてご紹介してきました。
トリ・ドーシャを簡単におさらいすると・・・
「トリ・ドーシャ」は、体を支配するエネルギー。
「トリ・ドーシャ」の「トリ」は3、
「ドーシャ」は、不純なもの・増えやすいもの・病素を意味します。
この3つのドーシャがわたしたちの体を支配し、3つのバランスによってその人の体質が分かります。
アーユルヴェーダで言う健康とは、この3つのドーシャのバランスがとれていること。
しかしドーシャは沈静化しても再び増悪してしまいます。
アーユルヴェーダでは、この余分なドーシャやアーマ(毒素)を浄化することで病気の根を取り除くことができると考えられており、これが根本治療となっています。
家庭でできる浄化療法、アビヤンガ(オイルマッサージ)
では、どうしても増悪してしまうドーシャやアーマ(毒素)をどのように浄化すればよいのでしょうか?
そのための代表的な方法が「パンチャカルマ」と呼ばれる浄化療法(デトックス)です。
パンチャカルマは、そのほとんどがクリニックで行われるものですが、家庭でも実践できる方法があります。その代表的なもののひとつが、「アビヤンガ(オイルマッサージ)」。
家庭でもできるデトックスが、アビヤンガ(オイルマッサージ)なのです。
今回はこのアビヤンガ(オイルマッサージ)について詳しくご紹介しましょう。
アビヤンガ(オイルマッサージ)の効果
アーユルヴェーダでは、以下のような効果があると教えられています。
老化を遅らせ、長寿を約束する | |
疲労回復 | |
ヴァータ異常による神経系の病気の予防と治療 | |
視力をよくする | |
睡眠を健やかにする | |
体力を頑強にする | |
皮膚を健康にする | |
体を柔らかくする |
アビヤンガ(オイルマッサージ)の禁忌
このようなときには、控えましょう。
1 | 発熱しているとき |
2 | 消化不良のとき |
3 | 病気のとき |
4 | 皮膚に炎症があるときやケガをしているとき |
5 | 倦怠感があるとき |
6 | 妊娠しているとき |
7 | 満腹のとき |
8 | 生理のとき |
マッサージオイルの作り方
それでは実践に移りましょう!
まずは、マッサージオイルの作り方からです。
用意するもの 材料と道具
材料
太白ごま油
かどや 純白ごま油 1650g 良質のごまを生のまま搾油したごま油。料理、ドレッシング、マッサージオイルに幅広く利用しています。かどやのごま油で石鹸を作ると、安定してきれいな色に仕上がります。 | |
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道具
鍋(できればアルミ鍋以外のものを使います)
温度計
保存用の密閉容器
作り方
マッサージに使うごま油は、以下の方法でキュアリングします。
アーユルヴェーダのキュアリングは、ごま油を加熱処理することです。
キュアリングを行う理由は2つ。
ごま油が皮膚から吸収されやすくするためと、油に含まれる不純物を取り除いて浄化するため。
キュアリングの方法は使用目的によって異なりますが、文献には温度の指定はありません。
また、ごま油を加熱したときの成分の変化や、日本での圧搾法などを鑑みて、加熱する必要はないと考える専門家もいます。
以下は、様々なアーユルヴェーダの本を読んで総合的によいと思う方法です。
絶対こうでなければいけないということではありません。
加熱することにより使用感がなめらかになりサラッとしますし、加熱によって不純物が取り除かれるとのことなので、使用感の好みや皮膚の乾燥度合いによって変えればよいと思います。
高温で加熱するほどサラッとするので、乾燥気味な場合は温度を低めにしましょう。あるいは、加熱しなくても問題はありません。
キュアリングのポイントとしてお伝えしたいのは、120℃を超えないように気を付けること。
現時点で科学的に分かっている有効成分が、破壊されてしまうためです。
色々試して、自分なりの方法を見つけましょうね。
1 | 太白ごま油を鍋にいれ、弱火で加熱する。 |
2 | 100℃になったら火を止める。 皮膚が乾燥している場合は75℃で火を止める。 120℃を超えないように気を付ける |
3 | そのまま自然に冷まし、清潔な容器に移す。 |
このオイルは、密閉して冷暗所に置いておけば2か月は使えます。
精油(アロマオイル)について
精油(アロマオイル)を加えてもいいかどうかについては、意見が様々です。
触感に集中するため、入れないほうがいいと言う人もいれば、体調に合わせて入れたほうがいいと言う人もいます。
わたし自身は、好みや体が求めている方法を自分で選んでよいと思っています。
アビヤンガ(オイルマッサージ)の方法
1回のアビヤンガ(オイルマッサージ)に使用するオイルの量
1回のマッサージで使用する量は、全身で大匙2杯くらい。
マッサージを行うときは、直前に1回分を別の容器に入れ湯銭で温めて使用します。
温めるのが面倒なときには、マッサージの際に手のひらでこすって温めても大丈夫!
面倒になってやめてしまうより、続けられるほうがずっと大切です。
アビヤンガ(オイルマッサージ)を行う時間
アーユルヴェーダでは、朝、あるいは夜の入浴前が勧められます。
マッサージのしかた
マッサージの方法は通常、体の上から下へ、頭 顔 上半身 下半身 足の順番。
そして、体毛の生えている向き、中心から抹消に向けて行います。
しかしアーユルヴェーダのアビヤンガ(オイルマッサージ)で最も大切なことはオイルを全身に塗ることなので、マッサージの向きや順番にそれほどこだわる必要はありません。
一般的によく行われる心臓の方向に行ったり、リンパ節に流し込んで排泄させるように行ってもOK!
わたしはリンパ節に流し込むように行っています。
アビヤンガ(オイルマッサージ)のポイントは、頭・耳・足の裏。
特にこの3か所は忘れずに塗油しましょう。
頭の塗油は、指先にごま油をつけて、頭頂部の髪の分け目に指で押し当てればOKです。
マッサージの後
オイルを塗ったまま、体を温かくして15分ゆっくり過ごします。
この間にオイルが体に沁みこんでゆき、毒素が皮膚から出てくると考えられています。
長時間そのままでいると、皮膚から出た毒素がまた体に入って行ってしまうので、15分経ったらシャワーで洗い流すか、半身浴、入浴などを楽しみます。
または、タオルで全身のオイルをふき取ります。
体を洗うときはボディーシャンプーなどで洗ってもかまいませんが、ゴシゴシ洗い流さず、少し肌にオイルが残る程度に優しく行います。
アビヤンガ(オイルマッサージ)が面倒な日は・・・
アビヤンガ(オイルマッサージ)は毎日行うことが推奨されています。しかし、毎日となると大変で日によっては面倒に感じることもありますよね。
そんなときお勧めの方法は、体を洗いながらマッサージを行う方法。
以前はアビヤンガのために鹸化率を下げたごま油の石けんを手作りしていましたが、現在はとてもよい商品が販売されているので、これを愛用しています。
これを見つけたときには「こんなの待ってた!」と思いました。
アーユルヴェーダのアビヤンガのために開発された、植物・天然由来成分97%の泡立たないボディウォッシュ。
ごま油をメインにアムラ・ニーム・ゴツゴラ・ザクロ・アロエなどの植物エキスが配合されているんですよ。
洗っていてとても心地よく、天然の香りも素晴らしく、洗い上がりもしっとり。とてもおすすめできるボディウォッシュです。
これは化粧品なので、薬事法的に上に書いた効果が該当すると言っているわけではありませんので、ご理解くださいね。
アビヤンガ ボディウォッシュは、楽天市場で販売されています。
出典・参考文献:Astanga Hrdaya、なぜ人は病気になるのか、インドの生命科学 アーユルヴェーダ