アーユルヴェーダの食事のとり方と、ドーシャ別食事法 | アーユルヴェーダとヨガのある暮らし

アーユルヴェーダの食事のとり方と、ドーシャ別食事法

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スパイスと野菜

アーユルヴェーダでは、食事を非常に重要視します。

それは、体の消化機能(アグニ)を正し、毒素(アーマ)を溜めないようにするには、食事が最も大切だと考えられているからです。

『チャラカ・サンヒター』(アーユルヴェーダの医学書)には、「正しい食物を摂ることが、人間を健康にする唯一の方法です。また、正しくない食物をとることが病気の原因です」と記述されています。

このようにアーユルヴェーダでは「何を食べるか」を大切に考えますが、同時に「どのように食べるか」も重要視しています。それは、おいしく食べ、味覚以外の5感が満たされることで、至福サットヴァ)に満ちた感覚が得られるためです。

後述のとおり、食物を味・匂い・温度などに分類し、自分の体質にあったものが勧められます。

必要なものは、本能的に体が求める

アーユルヴェーダでは、体のバランスがとれていれば自分の体に必要なものは本能的に体が求めると考えます。その場合、好きなものを好きなだけ食べればよいということになります。

ですからこれまでお伝えしたきたように、自分の体質や、現在のバランス具合、バランスの整え方などを知ることが重要になるわけです。自分の体の声に耳を澄ませてみると、それまで気づかなかった発見が必ずあるはずです。

それでも、バランスがとれている状態を保つことができるとは限りません。ぜひ、以下のアーユルヴェーダの教えを参考にしましょう。

食事で得られる「オージャス」とは

料理ヨガでは「プラーナ」という宇宙エネルギーに通じる生体エネルギーを重視しますが、アーユルヴェーダではそれに加え、「オージャス」にも注目します。

オージャスとは、生命の維持に欠かすことのできないエネルギーで、「活力素」と訳されています。読んだ通り「活力の素」を意味します。

オージャスは、3つのドーシャのバランスを維持し、免疫力を高める働きを持ちます。

このオージャスについてはさらに詳しく別の記事で書きたいと思いますが、今回のポイントは以下の2つ。

POINT
1 オージャスは、おもに食事から取り入れられる
2 食物が充分消化されれば、オージャスの産出が高まる
オージャスが低下すると、心身のドーシャが乱れ、言動や思考の異常、体の痛みや重み、肌色の変化、眠気、炎症、疲労感、筋肉の委縮、心配、悲しみなどの不調が起きます。

消化の火「アグニ」

アーユルヴェーダは消化の力を非常に重視します。

食べたものをしっかり消化し、栄養素を細胞に運び、細胞で代謝を行い、老廃物を排出するという一連の働きをアグニ(消化機能)と呼びます。

栄養価の高いものを食べても、このアグニの力が弱ければ毒素(アーマ)が蓄積し、毒になることもあるからです。

アグニは代謝と血液循環を司るピッタに支配されています。

アーユルヴェーダの食事法

METHOD OF MEAL
食事中は食事に集中する。(食事は瞑想である)
食事の量は腹2/3~3/4とする。(胃の1/3~1/4は空けておく)
規則正しく、消化力に応じた量を摂る。
適度にゆっくり、よく噛んで食べる。
6種類の味のものを摂る。
疲れ切っているとき、入浴直後は控える。
食事中、白湯を飲む。
氷のような冷たいものは摂らない。
調理したての新鮮なものを食べる。
その土地で採れた旬のものを食べる。
食後、数分間は静かに座っている。

6つのグナと6つのラサ

アーユルヴェーダでは、食物を6つのグナ(性質)と6つのラサ(味)で分類します。それぞれ、3つのドーシャを鎮めるものと、増悪させるものがあります

ドーシャのバランスをとるためには、自分の体質が持つドーシャの反対のものが必要になります。

例えば、ヴァータ(V)の体質を持つ人の場合は、ヴァータに軽・乾・冷という性質があるので、その反対の性質、重・油・熱のあるものを摂るようにします。

6つのグナ

食物の性質

食物を6つのグナ(性質)で分類します。

(ヴァータ=V、ピッタ=P、カパ=K ↓=沈静、↑=増悪)

性質 食物の例
重性 チーズ、ヨーグルト、小麦
軽性 大麦、ホウレンソウ、コーン、リンゴ
油性
湿性
乳製品、油、水分のある食物
乾性 大麦、コーン、ジャガイモ、豆類
温性 温度の高い飲食物、スパイス類
冷性 冷たい飲食物、緑葉野菜、キュウリ

6つのラサ

食物の味

食物を6つのラサ(味)で分類します。

(ヴァータ=V、ピッタ=P、カパ=K ↓=沈静、↑=増悪

食物の例
甘味 砂糖、牛乳、蜂蜜、バター、パン、米
酸味 ヨーグルト、レモン、チーズ
塩味 塩、昆布
辛味 ピリッとした食物、胡椒、生姜
苦味 ホウレンソウなど緑黄色野菜
渋味 豆類

ドーシャ体質別の食事法

アーユルヴェーダでは、昼食を最も大切にし、1日の主な食事とします。
昼はピッタが高まる時間帯で、アグニ(消化力)が高まるためです。

時間 ヴァータ ピッタ カパ
朝食 8時前 軽めに 軽めに 抜いてもOK
昼食 12時 多く 早めに多く 多く
夕食 18時前 軽めに 軽めに
デザートもOK
軽めに
食後はお茶のみ

ヴァータのバランスをとる食事

多めに摂るとよい食物

湿

アグニ(消化力)が変化しやすく、繊細。
食べるのが早く、太りにくい。
規則正しく食べ、消化しやすく柔らかな、よく調理したものがよい。
温かく、油を含むものを消化力に応じて食べる。
冷たいものや刺激物、苦味、渋味のものは少なめにする。サラダは温野菜にするか、室温にして、ドレッシング(油性)と合わせる。

ピッタのバランスをとる食事

多めに摂るとよい食物

アグニ(消化力)が強い。
食欲旺盛。
食べ過ぎに注意する。
冷の食物(穀類・牛乳・甘い果物など)や、水分を多めに摂る。特に、果汁、牛乳、白湯などが勧められます。
酸っぱいもの、ヨーグルト、チーズや、アルコール、コーヒー、油っぽいものは避ける。

カパのバランスをとる食事

多めに摂るとよい食物

刺激

アグニ(消化力)がゆっくりしていて重い。
食べることが大好きで、太りやすい。
食事は少なめにし、空腹状態で食事をするように心がける。
温かく、スパイシーなもの、特に辛い物が勧められる。湿り気のある調理法(茹でる・煮る・蒸す)より、焼いたり、炒める調理法のほうがよい。
油性のものは控え、バターやチーズは避ける。

参考文献:インドの生命医学 アーユルヴェーダ

なんだか体がだるいとき、よく考えてみると、消化力よりも多く食べ過ぎていたとか、カパが増悪しているのに甘いものを食べすぎた、などということがよくあります。

ぜひ、自分の体質や、ドーシャのバランスの乱れなどを見極めて、よりよい食生活を心がけてみてください。変化を感じることがあると思います。
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