知れば知るほど奥深いアーユルヴェーダ。
アーユルヴェーダは、インド・スリランカでの伝統的医学で、長い歴史を持つ、体系化された医学システムです。
サンスクリット語の「アーユス aayus」(生命・寿命)」と「ヴェーダ veda(科学、真理)」を意味し、「生命科学」と訳されます。
個人によって異なる体質と、常に変化する体と心
アーユルヴェーダは病気を診るのではなく、個人の個性をとらえる医学です。
まずその人がどのような体質かをとらえ、肉体と精神のバランスを図ります。
個人がそれぞれの体質を持ちますが、その個人の肉体や精神も、1日の間、1年の間、年齢によっても状況が異なり、常に変化しています。
その変動には、一定の法則に基づいたリズムがあります。
自分を知ること、そして、時間、季節、年齢、場所にあった生活の仕方を知ることで、心身が求める自分に合った生活をし、よりよく生きる。こうしたことの知識、智慧が詰まった医学なのです。
まず自分の状態に気づく
まず自分自身の心と体の状態に目を向けてみましょう。
体の状態はどうですか?
体がだるくないですか?
どこかに痛みはありませんか?
手足は冷たくないですか?
呼吸は早くないですか?ゆっくりと深い呼吸ができていますか?
脈は早くないですか?
なぜ今のような体の状態になっているのでしょう?
心の状態はどうですか?
いま、心は落ち着いていますか?
いま、どのような気持ちですか?
怒りはありませんか?
悲しみはありませんか?
ずっと心にひっかかっていることはありませんか?
なぜ今のような気持ちになっているのでしょう?
このように、ゆっくり自分を振り返ってみるだけでも、さまざまなことに気づくことがあります。
もしかすると、自分の内側のことに対して鈍感になっているかもしれません。
アーユルヴェーダでは、自分を知ることはとても大切です。
このブログでは、アーユルヴェーダの「自分を知るための方法」をお伝えします。
トリ・ドーシャとトリ・グナ
アーユルヴェーダの基礎には、あらゆるものにはエネルギーが働いていると考えがあります。
そしてそのエネルギーによって変化が起き、心や体に影響を与えます。
体の基礎となるエネルギーは、ドーシャ。
心の基礎となるエネルギーは、グナ。
この体と心のエネルギーは、それぞれ3つあると考えられ、トリ(3つの)という言葉を加えて、トリ・ドーシャ、トリ・グナと呼ばれています。
3つのエネルギーのバランスによって、個人の体質も分類されるのです。
このドーシャ理論はアーユルヴェーダの基礎となる理論ですので、改めて別の記事で詳しくご紹介します。
心と体のバランスを調整する
このように、自分のエネルギーのバランスを見て体質を知る。また、時間・季節・年齢などによっても変わるエネルギーを知る。
このエネルギーのバランスがよければ、心身は健康で快適な体を保つことができるのです。
逆にアンバランスになると、心身に不快な症状が現れることになります。
先に述べた3つのエネルギーのバランスは、人それぞれ違います。
それは、その人が本来持って生まれた個性です。
それぞれの人の体質によって健康にも多様性があるから、アーユルヴェーダは病気を診るのではなく、個人の個性をとらえたうえで、そのバランスを調整するのです。
このように、アーユルヴェーダは自分の個性を尊重し、「自分らしく生きる」ことを大切にする教えです。
自分を知って「自分らしく生きる」ことは、健康で快適なだけでなく、安らぎと喜びを与えてくれることでしょう。
学べば学ぶほど奥深いアーユルヴェーダ。ぜひ一緒に学びましょう。